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【絆のカタチ】No. 59キズキ商会 木築基弘様

公開日:2022年08月08日 カテゴリー:information, ニューズレター, ブログ タグ:


豊岡市にある大正15年創業の(株)キヅキ商会。
建築資材を取り扱う商社です。

 

■新しいことをやるにはスピードが大事

今回は、代表取締役の木築基弘さん(55歳)に話しを伺いました。
ネットニュースや電子書籍といったデジタル媒体が情報収集の主流となる社会で、新聞や本屋さんが大好きという言い切る木築社長。
何やら興味深い話しが聞けそうです。

-笠原 「お父さんからいつ事業を引き継がれたのですか?」
-木築さん「20年前ですが、継ぐというのは社員さんに対し失礼な言い方、転職であり、入社ですね。」

-笠原 「どんなお父さんでしたか?」
-木築 「とにかく嫌いで関わりたくなかったですねw。子どもは視野に入ってない感じ、邪魔もの扱いですね。その分、勉強しろ的な事も全く言われませんので、今思えば自由だったかも。」

-笠原 「僕の父の口癖は『勉強しろ』でした。」
-木築さん 「食事も、商売人の食卓という感じ。必ずニュースが流れ、会話もビジネストーク。実は、密かにこんな家庭は嫌だなって心の中では思っていました。だから家庭を持つようになって僕は、子供とは一緒に遊ぶのが大好き。休みの日は子供たちの様子を見ているだけで幸せなくらいです。」

-笠原 「最高の学びは、反面教師であることですね。」
-笠原「御社は専門商社ですが、具体的にはどんなものを扱っておられますか?」

-木築さん「人が住まう、暮らしのインフラ全般、といっても分かりにくいですね。創業は、コンクリート製造でした。その1年前の大正14年(1925年)5月23日に北但大震災が起こり、まさにコンクリートビジネスが、復興ビジネスになりました。そして、平成23年(2011年3月11日)には東日本大震災が起こりましたが、その年には、再生可能エネルギーである太陽光発電システムに関わり始めました。新しいことをやるには、スピードが大事。他を多少犠牲にしても太陽光発電にシフトしました。」

-笠原「お爺さんといい、木築さんといい、なんだか時代に合わせてうまくビジネス転換をされておられますね。
まさにフロンティア。常に時代の波のアンテナを張って危機に対してすばやく反応できる人という印象です。」

-木築さん「振り返ると、創業当時にやっていたことは今はほとんどやっていないんですよね。常に時代の変化に合わせていこうと思っていますが、その時に邪魔になるのが『計画』でもあります。落合陽一も『半歩先を読む思考法』という本を出してますが、コロナに限らず、半歩先のことしか私達には分からない。」

-笠原「ニューノーマルになるということですね。アジャイルに物事を進めていくというか。」
-木築さん「そんな意味でも僕は細かい経営計画を立てたことがないです。単にめんどくさがりの言い訳かも。」

-笠原「様々な会やプロジェクトの役をされておられますから、めんどくさがりではないと思います。」
-木築さん「頼まれると断れないというか、そこで自分に進化のためのプレッシャーをかけてるのかもしれませんけど、新しい事や人と出会うのはとても好きですね。僕の結婚式であちこちから来てくれた友人同士が共感で盛り上がってたのが「木築は転勤すると全く連絡してこない」という事。確かに、新しい場になじむことに意識も時間も奪われてしまい結果的に、過去と接することがなくなってしまうw。」

-笠原「太陽光発電の未来はどうですか?」
-木築さん「豊岡は、2050年までにカーボンゼロを目指して「地球温暖化防止対策室」が立ち上がりました。豊岡市は現在放棄農地での太陽光発電を導入していますが、これをもっと拡大していくことが大切だと思います。自然災害はコントロールできませんが、エネルギーの蓄電や調整は可能です。

 

今、大手企業が土地を借りて太陽光発電を積極的に取り組んでいますが、地元の人が事業者なのが大切。行政とも連携して災害に対して強い街づくりも目指していければと思っています。」

-笠原「太陽光発電の未来を含めてフロンティアとしてどう時代を見据えていますか?」 -木築さん「コロナで、益々新たなインフラ整備が求められています。より安心、安全、健康へのこだわりが強くなってきています。以前の商社は顧客に情報提供のみでよかったことが、今は、コーディネート機能も求められてきていますし、それらをプロとしてやれないと生き残る価値はありません。」

 

■次世代と地元の未来を切り開く会社に

 

-笠原「例えば、ユーザーのサポート体制もそうですね。」
-木築さん「相手の立場になると、必然的にそうなります。様々な方々の気持ちになるためにも、大切にしてるのがバランス感覚ですかね。記憶に残ってる創業者の祖父の言葉が「何事もバランスが大事」でした。
今、インターネットの情報は、アルゴリズムにより、自分が見たくない情報は遮断され、自分が見たい情報しか見えなくなるフィルターバブルが起こっています。
また、自分の意見と同じような意見を閉鎖的空間内でコミュニケーションを繰り返して、その結果、特定の信念のみが強くなるというエコーチェンバー現象も起こっています。偏った情報がSNS内で氾濫している状態。こうなると、ある物事に対して客観視ができなくなってしまいます。常にアンテナをはってその変化をバランス感覚を、持ち続けてることが必要だと思っています。」

−笠原「それが流行なのか潮流なのか、見極めるということでしょうか。
流行は一過性のものですが。潮流は繰り返しますから、予兆からの潮目の判断力が求められる時代ですね。」

以上

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