「思ってた色と違うんですけど…」色ズレの悲劇を未然に防ぐ救世主
「モニターで見た色と、プリントの色が全然違う!」
…このセリフ、昇華転写プリントの現場では
“あるある”中の“あるある”
まるでマッチングアプリでプロフィール写真のイメージと実際に会った時の実物が違いすぎて、心臓バクバクしそうな、そういう感覚に似ていませんか?
期待値MAXでワクワクして開封したTシャツが、思っていた鮮やかなブルーではなく“おばあちゃんが毎朝使う霞んだ湯呑みブルー”だった時の絶望感たるや…。
そんな「色ズレの悲劇」を未然に防ぐ救世主が、 CMYKカラーチャート !
今回は、昇華転写の色合わせと色調整の秘密を、プロの視点でご紹介します。
🎨 そもそもCMYKカラーチャートって何?
「CMYKカラーチャート」は、**Cyan(シアン)・Magenta(マゼンタ)・Yellow(イエロー)・Key Plate(ブラック)**の色の組み合わせをグラデーションで表示した「色見本帳」。
アパレルファッション業界では、PANTONEの色見本帳が有名。
同じ赤やオレンジといっても実に様々な色がこの世には存在するのがわかります。
一方、白のポリエステル生地に色をプリント(染める)していく絆工房では、
生地の色見本であるカラーチャートがあります。
和色のカラーチャートもあります。
今、プリント業界をざわつかせているDTF専用のカラーチャートも。
このカラーチャートがないと、プリンターの仕事は推理ゲームになります。
ーデザイナー「この青、もうちょい“爽やかな夏の空色”にして」
ープリンター「えっ…それ何%のシアンですか!」
ーデザイナー「え?…夏の空だよ?」
ープリンター「……」
こんな悲劇を防ぐために、数値で正確に色を伝える必要があるのです。
🔍 なぜ昇華転写では色ズレが起こりやすいのか?
昇華転写は「インクを布に染み込ませる」特殊な印刷技術。
インクが熱で気化してポリエステル繊維に浸透するため、紙に印刷したときとは全く違う色合いになることがあります。
たとえば…
モニターでは「海の深いブルー♪」
でも、転写後は、
「漁港に浮かぶビニール袋のブルー・・・」
このギャップを埋めるのがカラーチャート。
「転写後の実際の色」を事前に確認していきます。
プロが教えるCMYKカラーチャート活用法!
1. カラーチャートは「生地ごと」に作ってます
昇華転写は 生地によって色が変わる というトリックがあります。
ポリエステル100%の白生地と、ポリエステル混合のグレー生地では同じ設定でも発色が異なります。
🌟 絆工房が色ブレを防ぐ裏ワザ:
- よく使う生地ごとにカラーチャートを作る。
2. 定期的なプリンターキャリブレーション
プリンターも人間同様、年を重ねると調子が変わります。
🛠️絆工房が色ブレを防ぐ裏ワザ:
- インクロットが変わったタイミングでも再調整
🎯 まとめ:CMYKカラーチャートは「色のGPS」
いかがでしたでしょうか?
昇華転写プリントの世界は、まるで色の迷宮殿。
でも、 CMYKカラーチャートがあれば、迷子になる心配はありません。
- 色指示は「数値で」伝える。
- 転写後の「実際の色」を基準にする。
- 生地ごとに確認する。
色合わせの失敗が減ると、お客様からの「思ってた色と違うんですけど…」
という電話も激減。社内のストレス値が下がって一石二鳥。
最後に、絆工房は色の中でも特に黒の発色が素晴らしいとお客様から言われています。
一口に黒といっても242数もの黒が存在するのはご存知ですか?
その中からお客様の黒をドンピシャで見つけるには、
数値と人の目です。
この両方のダブルチェックで、色の迷宮殿から脱出できます。
次回のテーマは、
『RGBとCMYKっていったい何のこと?』をご紹介します。
【関連記事】