【絆のカタチ】No. 19 麦畑自然農場 上垣敏明様
年の梅雨はカラ梅雨、だと思いきや突然のゲリラ豪雨になりそうで、ちょっと不安な今日このごろですが、いかがお過ごしでしょうか? 今回は大屋の山奥の「麦畑自然農場」の上垣敏明さんを訪問して来ました。 私の知り合いからご紹介いただきました。 上垣敏明さん現在66歳、白髪のダンディなオヤジと言った風貌の上垣さんが田んぼで出迎えてくれました。 田んぼの向こうをよく見ると若者の姿が何人か目に入りました。 彼らは?と訊くと、「わたしのとこの生徒」、農業学校(予定)の寄宿生だという。 全国からホンモノの農業を目指している上垣さんの話を聞きつけ来ているという。 報酬は無し、一年間ぐらいで卒業していく。 彼らの夢は「日本の農業を変えたい」「日本の食を変えたい」その思いに燃えて入ってきている。 こんな辺鄙な山奥の地に! 上垣さんの飾り気の無い素朴な人柄と情熱にも惹きつけられているのだろう。 そこにも上垣さんと生徒の「絆」の存在を感じる。 そんなカッコイイ上垣さんも40歳の時に肝炎で入院したことがきっかけで食の安全を追求することになったという。 現在の食をよく見ると利益優先の結果、見掛けの安全で作られている。 有機無農薬と言えどもその肥料、飼料に於いて無害なもので作られていることは少ないという。 現在、ハチミツ、米、野菜果物、にわとりの卵、といろいろ生産しているが、どれ一つとっても妥協を許さず取り組んでいる。 にわとりの飼料も米子地方の遺伝子組み換えのない大豆を使った豆腐屋さんから入れたおからと乳酸菌等を 混ぜ発行させたものを与え、飼い方もケージ飼いではなく平飼でそれもストレスがなるべく無い様に薄飼いで育てる。・・・ 大学の先生のセミナーにも参加し、またそこで聞いたことが本当かどうかを自らが検証し、更に工夫を重ねて今までやってきたという。 一事が万事、安心安全に徹底した信念の元に作られていることに驚いた。 ところが巷ではどうだろう、安全を優先する→健康のために消毒する。 それが行き過ぎて薬漬けに近い状態らしい。正義の名のもとに悪がはびこってしまっている。 いわゆる「健康のためなら死んでもいい」(笑) 冗談みたいなことが現実化している。 今の世の中、便利と横着の境目がなくなってきているのかも! 特に上垣さんは儲ける農業を偽りの農業と嫌い、俺はホンモノを目指し、作り、流通させ、お客との信頼関係を大事に一生をかけて取り組んでいきたいと。 そこに上垣さんとお客さんとの絆のカタチを見て取りました。 農業は儲けるモノではない。 命を繋ぐモノ、家族が健康で生きていくためのモノ、これから先の人類を救うモノだと言ってはばからない。 ホンモノの農業の道はまだまだ険しいものがあると思いますが、命ある限り、お元気で信念を貫き通していただきたいと思いました。