【縁と絆が幾重にも絡み合って誕生したお店】No.24合同会社ヘルメースかどの駄菓子屋 代表 上田 隆嗣様
今回登場される方は、絆工房会長の二十年来の旧友、上田隆嗣氏。
上品な淡い紫色に髪を染め、ピンクのYシャツをお洒落に着こなされた、“ダンディ”という言葉がぴったりな紳士。
二人の出会いは、上田氏が、豊岡市商工観光課在職中に豊岡をPRするTシャツを作ることになり、Tシャツ屋さんを探していたところ、当時はマジックという名前であった絆工房を知りTシャツを依頼。
若い頃は画家を目指していたほど絵の才能がある会長自ら描いたデザインTシャツを約一〇〇〇枚作成。
『だから、絆工房が大きくなる基礎を築いたのは、何を隠そうこの僕なんですよ。』とユーモアたっぷりの上田氏。
ビジネスを通しての付き合いから、次第にテニス、スキーとプライベートでも絆は広がっていきました。信州赤倉のスキー旅行では『元はとらないと!』と、帰りのバスが出発するギリギリまで滑走。
出発しようとするバスを停め、走って乗車したという、
『3日間滑りっぱなしの、疲れに行くようなスキー旅行』を敢行。
笠原と二人、懐かしい思い出話に花が咲いた取材です。
■『仕事は自分で作るもの』
お店の看板商品である黒糖ドーナツ棒との出会いは、
高校の同窓会で豊岡出身の幼馴染み吉田高成さんとの再会がきっかけ。
その彼が経営する㈱フジバンビの商品の一つである黒糖ドーナツ棒を食べてみると、『美味しい。これを城崎でも売ってみよう。』と思いつきました。
市役所時代はもとより、定年後務めた老健の事務長時代も “仕事は自分で作るもの”と色々なことに積極的に取り組み、ここでも介護関係の人達と新たな絆が生まれ、そこから会社設立に日夜東奔西走。
そして、去年6月28日、合同会社ヘルメース設立、店舗の改装浩司も友人の工務店の突貫工事によって8月1日、かどの駄菓子屋をオープンさせました。
■最後にモノを言うのは、熱い想いと絆
『しかし仕事は何でもそうだけど、経営っていうのはなかなか大変なもんですな。』
と商売していく苦労もありました。
城崎は、観光の街。そこでのビジネスは、ゴールデン・ウィーク、夏休み、祝日といった観光客の休みの波に否応なく飲みこまれます。その波をいかに乗り切れるか。
上田氏は、城崎オリジナルの商品化、手作りプレゼント商品を次々に開発。
『それでも、困った時は、必ず上田社長の人柄を慕って応援してくださるお客さんが不思議と現れるんですよ。これこそご縁ですね。お客さんの中には高校時代の女性ファンが多いんですよ。上田社長は、人徳と人脈のある人なんです。』と、それまで静かに話しを聞かれていた女性店長笹本さんが上田氏の人柄を語ってくれました。
上田氏の片腕となってエネルギッシュにお店を切り盛りされている店長さん。
時にお店の運営について熱く上田社長と議論されるそうです。
取材当日も、絆工房会長も加わりまさに議論百出。
どちらが取材する人、される人か分からなくなるほど。
上田氏以上に熱い店長、絆工房会長の白熱談義に上田氏、最後に小さな声で一言、『あ〜しんど。』
上田氏も、店長も、会長も、皆がお店に熱い視線を注いでいます。
上田氏と店長笹本さんとの絆。
上田氏の人徳によって応援してくれる上田氏の同級生でもあるフジバンビの吉田社長との絆。
そして、同じ経営者で旧友である絆工房会長との絆。
縁と絆が幾重にも絡み合って誕生したのが、かどの駄菓子屋。
温厚でダンディな社長とハリのある明るい声で迎えて下さる店長さんのいるお店に一度ふらりと訪れてみて下さい。
観光地のお店でありながら、ほっとできる雰囲気のかどの駄菓子屋で、また一つ素敵な絆ストーリーが生まれるかも知れません。