JR江原駅のすぐ前にあるスポーツウェア販売店『マルマツスポーツ』。 その店主である橋本さん。27歳でお父様から店を引き継いだのが40年前。 その時に会社のシャッターの絵や内装を手掛けたのが絆工房会長笠原。 それ以来の付き合いである橋本さんと、さらに今回は、そのお父様の片腕となって一緒にお店を切り盛りされている娘さん和加子さんを交えて「これからの商い」について対談しました。
■ 表現し、発信し続けることの大切さ
ー橋本さん 「若い頃は、怖いもの知らずで何でも果敢に挑戦したものです。市民会館でスキーウェアのファッションショーもやりましたね。私もステージにあがりましたよ(笑)。スキー全盛期時代は、電車のダイヤに合わせて朝早くから店のシャッターを開けていました。そして、スキーの次に来たのはゴルフの時代。1万円のゴルフのグローブがあっという間に売れました。私の時代は、モノを仕入れてモノを売る時代だった。 もちろん「日本がある限り大丈夫、学校がある限り大丈夫。」と言って親父がきっちりと学校とのつながりを築いてくれたので、今のマルマツがある。けれども、人口そのものが減少していくから当然パイも減少していく。時代の流れで次第にスキーやゴルフ人口が減りました。 好景気時の投資はいいですが、売上が萎む時の投資は、しんどかったですね。 そのためには、常に資金力をキープしておくこと。また、原点で採算がとれるようにしなければいけない。 じゃあ、原点とは何か?それはやっぱりお客様に喜んでもらうことですね。原点に戻って考えることが大切。」 ー笠原:「これからの商売は、モノの中にコトを埋め込んで提供することが大切。それではどうする、、、やはり人にフォーカスですね。その人(お客様)っていうのは、飽き性で忘れっぽい(笑)だから常に売り手のこちらが、発信し続けることが大切。」 ー橋本さん:「そう。動くこと。まずはアクション。脱皮する時は、確かに勇気がいりますけどね。」 2人の対談を横で静かに聞いていた和加子さん。 20年前からお父様の片腕となって働いている和加子さんにも話しをうかがいました。
ー和加子さん:「そうですね、人脈作りですね。実は、父の知り合いでもあり、フェイスブックつながりでもある北井さんが企画された日高町内のオープンガーデンの企画に参加する予定なのですが、オープンガーデンのお宅をノルディック・ウォークで歩くコラボ企画の話があがっているんです。
今の時代は健康志向で、例えば、ノルディックウォーキング用のポールも1回は売れる。でもそれは、1回で終わるんですよね。それを1回で終わらせないで、そこからリピーターにつなげていくことが大切だと思うんです。
スキーやゴルフの時代の好景気時代は去っても基本となっている健康志向はかわらない。しかも、今は健康ブーム。
そこでどんどん地域の人達との絆を広げてコラボしていけたらいいなと思っています。」
笠原:「いいねー!!和加子さんには是非頑張っていただきたいね。応援したい。モノだけ売る時代はもう終わったからね。やはりモノ+人=心の豊かさを実現する為の商品。人にからめて考えないとモノは売れない時代だと思う。」
■ 看板は変わらず、形態は変化していくビジネス
ー橋本さん:「先日、江原の電車待ちらしき親子がお店に入って来られたんですね。話かけると、驚いた顔ばかりして通じないんです。すると「台湾、台湾」と言われて、そこでやっと台湾からの観光客だとわかりました。時代は変わりましたね。スキー観光客から外国人観光客にかわってきたのかもしれません。そして、豊岡のベッドタウンの日高でモノを売っていくには、これからは、県外や外国から但馬に来てもらえるような戦略が必要ですね。 ー笠原 「但馬地域を巻き込むことが大切だね。そういう意味で、和加子さんのコラボ企画というのはとてもいいと思う。また、お店の前に、外国語で「We’ve got ○○!」って書くとかね。」
ー橋本さん:「地域の良さは一度外に出てみたら分かる、出たことがない人は気づかない。但馬人特有のねばりのある人材は沢山いると思うから、その人たちを巻き込んで但馬地域を盛り上げるような商売が肝要。田舎であっても、プライドがあるお店でありたい。存在感のあるお店。スポーツ商品を売っているお店はやはりスポーティーで清潔感のあるお店でないとだめ。」 ー笠原:「リスクを取って是非挑戦して下さいね! 最後にお父様から娘さんへのメッセージはありますか? ー橋本さん:「時代の波とともに歩んできたわけで、これからも目の前のことをきちんとやってもらいたい。二世代でクロスオーバーできる部分を共有していきたいですね。(娘は)積極性があるからどんどん地域の人とつながりをもって商売をしていってもらいたいね。」
親子で共有しあうところは共有しあいながら、新しい絆のカタチへ脱皮しようとするマルマツスポーツです。
以上