昭和24年、「朝倉瓦屋」からスタートした朝倉商事株式会社。
昭和36年には、「朝倉セメント工業」と名称変更して、ブロック製造業も携わります。
昭和55年からここ但馬の老舗の石の総合商社として浅倉地区で商いをされておられます。
当社のご近所さん企業です。
―笠原:「先代の亡きお父さんはどんな方でしたか?」
―朝倉社長「父は、行動派の人でした。韓国語、中国語といった外国語を喋れなくても、いい石を求めて、ためらいなく海外に飛ぶといった非常に行動力のある人でした。僕も海外に対しては、どうにかなるという思いがあり、その点は父と似ているのかな、と思います。」
—笠原:「違うところ(国)に飛び込んでいくのは冒険ですね。でも、普通と同じ事をやったら、結果も普通。やはり発展的なことに取り組むのには勇気が必要。そう考えると、仕事って、食わんがために働くのではないんですよね。食うために働くのは動物と同じ。人間は、物質の豊かさではなく、心の豊かさの実現の為に働かないといけないと思いますね。」
—朝倉社長「そうですね。行動派の父にしてもそうでしたし、僕もいつしかどうせ社長をするなら20代でやってみようという思いや、母にいつまでも頼る訳にはいかないという思いが強くなり半ば強引に社長業を引き継ぎました。会社に入ってからは自分の顔と名前を知ってもらおうと商工会や消防団といった地元の組織に積極的に出席しました。地元で会社経営していく上では、やはり”顔”を知ってもらうことが大事です。そうすることで道で会っても気軽に挨拶ができる関係が築けます。早くに父が亡くなり、当初は「若い社長だな。」と言われましたが、今となっては若いうちに社長業を経験できて良かったなと思っています。」
■シャイな社長が打ち出した社員とのコミュニケーション技とは!?
—笠原:「(社長業は)やってみてどうですか?」
—朝倉社長:「実は、僕は、話す事があまり得意じゃなくて、社員に何かを伝える事がどちらかというと苦手なんですよ。」
―笠原「そうなの?そういう風には見えないけど?」
―朝倉社長:「そこで、僕のように話す事が苦手な人でもコミュニケーションが円滑できるようにと、“見える化ボード”を作ったんです。ボードに業務の進捗状況や伝達事項を書くようにしたんです。耳に入ってくることはすぐ(左から右へ)流れてしまいますが、ボードを壁に貼ると目につくじゃないですか。また、情報の共有化ということで、以前は営業部内だけ共有していた情報を全社員が見えるようにメーリングリストも作成しました。初めから上手く機能するとは思いませんが、少しでも僕の思いというのもそこに書き込んでいって社員と共有できたら思っています。」
社内の環境をより良いものにしたいという思いを語る朝倉社長。
—笠原:「いやいや、よく話されているよ!(笑)」
—朝倉社長:「そうですか?他にも各社員の入社日が近づくと毎週月曜日の朝礼で勤続年数と入社日を発表したり、誕生日が近づいた社員にはお祝いの言葉を伝えています。でも、僕自身が、社長たるものあまりべらべら話すものじゃないって気負いがあるのと、社員が、社長である私と話しするのって萎縮しないだろうかと、つい気になってしまうんですよね。」
—笠原:「それは僕もあるよ。」
—朝倉社長:「やはり社長が発する一言っていうのは、軽い一言でも重い意味を持つことがありますからね。」
—笠原:「そう。でもやっぱり言っちゃうんだよね。言わずにはおれないというかね・・。」
■地元に愛される会社であり続けたい
朝倉商事は、「季節のたより♩」という名前で年4回、絆工房と同様に定期的にニューズレターを発行。
夏の近隣の花火大会の開催表は絆工房でも掲示板に貼って大活躍です。
他にも「ASTONE通信」は今月で106号(約9年)を迎えます(※2017年時)。
―朝倉社長「最初は、業務命令だった「季節のたより♩」や「ASTONE通信」も今では社員自らが積極的に作成し、私の手元に原稿が上がってくるのをみると「あ、もう通信を発行する時期なんだなと気づかされています。逆に社員から尻を叩かれ、こちらもやらねば!という気持ちになりますね。見える化ボードの作成、「季節のたより♩」、「ASTONE通信」を発行することが、売り上げに直結しているかどうかはわかりません。でも、こういった絆づくりを続けていくことが大事なんだと思っています。お客様カードを書いてくださった方へは、誕生日月にメッセージカードを送ります。出来るだけメッセージ、住所は手書きにこだわっています。」
絆工房でも、ニューズレターを社内の情報発信だけでなく、絆づくりのツールの一つとして、また人の記憶に残ってもらう目的で発行し続けています。
—朝倉社長:「話すのが苦手といっても、会議の後は、必ず社員と一緒にご飯を食べたり、年に一回、BBQ大会を開いています。今の社員やその家族、会社を辞められたOBの方々も必ず招待しています。自分の家族ももちろんですが、社員の家族やその子供たちも僕にとっては家族です。昔、私が若い頃、いろんなことを教えてもらったOBの方々には今も感謝しています。たくさんの人の助けでここまでやってこれました。これからもその恩を忘れずに、地元で愛され続ける会社、笑顔のたえない明るい会社でありたい、それが僕の夢であり目標です。僕にとって、社外の人から、自分の会社の社員のことを褒めてもらう言葉を聞くのが一番嬉しいものです。」
取材中終始おしゃべりは苦手とはにかみながら話す朝倉社長。しかしながら、「会社も私自身も知ってもらうことが絆作りの一助になる。」と、ブログやFBでは、会社の事だけでなく、社長自身のプライベートなこともオープンに発信。その大胆さに、寡黙な人柄の中にも、社員を愛し、地元を愛し続ける石のように固く揺るぎない経営者の想いがあり、それが溢れた取材となりました。
兵庫県豊岡市日高町浅倉30-3
朝倉商事株式会社
Tel:0796-42-3707
Facebook:朝倉商事株式会社
ブログ : 幸せいっぱい♩縁起物の朝倉ブログ
社長Facebook: 朝倉裕登A
社長ブログ:Aのブログ